2015年9月30日水曜日

アンリ・バルダ ピアノリサイタル 魔法のピアノ

待望していた恩師アンリ・バルダのピアノリサイタル。
9月26日(土)浜離宮朝日ホール、27日(日)港南区民センター
と2日間続けて聴いて来た。
どちらもほぼ満席。

夢の様な2日間、魔法にかかったようだった。
前半は
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
(港南ではこの間にブラームス:2つのラプソディ Op.79)
ブラームス:6つの小品 Op.118
後半
ラヴェル:夜のガスパール
ショパン:即興曲 第1番 Op.29
     ワルツ 第12番 Op.70-2
     マズルカ 第34番 Op.56-2 / 第38番 Op.59-3
          第26番 Op.41-1 / 第40番 Op.63-2
          第41番 Op.63-3
     ワルツ 第8番 Op.64-3 / 第5番 Op.42

前半のブラームスの晩年の作品で、シンミリした演奏が多いが
バルダの演奏は非常にエネルギッシュ。
特に浜離宮ではOp.117が大音量で始まったのでびっくりしたが
大きな宇宙に放り出されたように感覚で直ぐに引きこまれた。
バルダならではのブラームス、非常にドラマティック。
特にOp.118の後半3曲が磨きぬかれていて素晴らしかった。

後半のラヴェルが逸品。
すごい演奏を聴かせてくれるはずと分かってはいたものの
改めて度肝を抜かれた。
駆け抜けるように3曲が弾かれた。
オンディーヌの誘惑や絶望、絞首刑の暗く不気味な雰囲気、
スカルボの狂気に満ちた性格がドンピシャなアイディアと
強靭なテクニックとで実現されていく様は恐ろしいくらいだった。

そしてお得意のショパンメドレー、いやぁ楽しい!
どの曲も踊りだしたくなるような生命力に溢れている。

バルダの演奏は非常なリスクを負って成り立つもので
守りの姿勢は一切無い。
音楽が好きでたまらずひたすらピアノに身を捧げ続けて
生きてきた芸術家の姿を目の当たりにした。
長年バルダの演奏を聴いているが、年々凄味が増している。
次のコンサートが今から待ち遠しい。




2015年9月22日火曜日

イヴ・アンリYes Henry先生の公開レッスンとレクチャーコンサート

イヴ・アンリYes Henry先生の公開レッスンとレクチャーコンサートの
通訳をしてきました。

アンリ先生は楽譜の読み込み、レガート奏法、和声、練習の仕方などを
細かく、そしてプロアマチュア問わず情熱的に指導なさいました。
作曲家の意図したことを噛み砕いて説明し、理想の音楽を目指して
様々なアドヴァイスをする姿勢はどんな年齢・レヴェルの受講生
にも変わることがありません。

東京だけでなく関西でのレッスン・コンサートもたて続けでしたが
まったく疲れもみせずいつも穏やか。
いちど『フランスとの時差もあるし、お疲れではありませんか?』と
伺うも『全ッ然!』とのお答え(笑)素敵すぎます。
演奏は勿論、音楽教育にも情熱を注いでいらしてパリ音楽院では
音楽理論と演奏をいかに結びつけるかを学ぶクラスを新設されたと
お話してくださいました。

アンリ先生はショパンの時代の楽器を使ってショパンが最後に行ったコンサート
を再現したやCDを制作したりとオリジナル楽器を使用したユニークな
企画も沢山なさっています。
その様子がフランスのラジオ局HPから聴けます(2017年2月28日まで)。
写真左上の Ecouter L'émission の左側のボタンを押すと聴けます。
ショパンの時代のピアノ、1837年のエラールと1844年のプレイエルを

使用しての演奏です。
公開レッスンの様子

2015年9月1日火曜日

イヴ・アンリ レクチャーコンサート

5月の公演に引き続き、イヴ・アンリのレクチャーコンサートが
汐留ベヒシュタインサロンで行われます。
今回もレクチャーコンサート、公開レッスン共に通訳を致します。

詳細はこちら




個人のお宅でのコンサート

久々のコンサートでした。 ご自宅にブリュートナーを置かれて時々コンサートを 開かれている方にお声をかけていただき出演しました。 60年ほど前に製造されたブリュートナーはよく響く懐かしい音がします。 特にドビュッシーやフォーレにピッタリの音色。 黒塗りされていない木目のピアノからは...