フランスに留学する前にもヴァイオリンや
歌の伴奏をする機会はありましたが、
フランスで学んだ伴奏法の授業内容は
全く私の想像を超える難しさでした。
ピアノ科は2年で卒業したものの、
伴奏科は4年もかかって卒業しました。
その内容とは・・・。
①初見演奏
基本ですね。
ただ間違えなく弾くだけより、曲の性格を素早く
つかんで伝える演奏能力が問われます。
②移調
これは主に歌手の伴奏で求められる能力
楽譜を渡されて「あ~、全音低く伴奏してね♪」
などと要求された際にすぐ対応出来る様にします。
③室内楽曲やオーケストラ曲をピアノにアレンジして弾く。
ピアノ曲はト音記号とヘ音記号で書かれていますが
こちらはハ音記号、移調楽器など様々な形態の5線譜
を読むので、こなせるようになるには相当の訓練が必要。
私はオーケストラを想像しながらその響きに近いものを
ピアノで再現することがとても好きでコツコツやりましたが
これを猛スピードで処理していく人は本当にスゴイです。
④伴奏員として限られた時間内でリハーサルを行い、
アンサンブルの質を上げる。
これは初見能力、曲の分析、一緒に弾く奏者と自分を含め
どこを直したらいいのか素早く判断して効率よく仕上げる。
知らない曲だとなかなか冷静に聴いて判断するのが難しい、
さらにフランス語で奏者に指示を出すのがハンディになることも。。
私のもっとも苦手な科目でした。
⑤即興演奏
といってもジャズの方たちのようにスゴイ即興を
するわけではありませんが、主題を与えられて
それに簡単なヴァリエーションをつけて演奏します。
色んなスタイルの音楽がとっさ思い浮かべばこっちのもの。
留学する前は伴奏科の存在すら知らず、興味もなかったのですが
知り合いに勧められて入学した伴奏科。
4年間とても大変でレッスンで泣きべそをかいたこともありましたが
本当に貴重な勉強をさせてもらいました。
伴奏科に所属していたことで頂いた仕事も数知れず。
卒業試験では頑張った甲斐があり審査員満場一致の1位卒業で
本当に嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています。
特に効率良く曲を仕上げること、常に積極的に音楽に関わる姿勢を
学んだことは伴奏の仕事を始め、演奏、教えることにもとても役立っています。
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