2月25日(水)、
ピョートル・アンデルシェフスキのリサイタルに行ってきました。
@オペラシティ コンサートホール
プログラムは
J.S.バッハ: フランス風序曲 ロ短調 BWV831
J.S.バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808
シューマン: 精霊の主題による変奏曲
シューマン: 幻想曲 ハ長調 op.17
アンデルシェフスキはパリに住み始めた頃一度コンサートで聴いている。
その時は移ろいやすいピアノ、という印象だった。
この人はコンサートでも燕尾服などではなくて、この日も
ラフにTシャツとジャケット姿。かっこいいですね。
前半のバッハではパイプ椅子を2つ重ねて使用。
後半シューマンでは普通のベンチ椅子をかなり高くしていました。
バッハとシューマンではテクニックを使い分けているのですね。
高い集中力でのバッハ。
フランス風序曲もイギリス組曲も壮大な曲として一気に
終局まで持っていく。
左手の旋律を強調する時、右手はかなり音量を落として
左手だけをかなり強烈に浮き立たせる手法が目立っていた。
装飾音符や細かい音の指さばき、リピートした時の1回目とは違う
表情付けなど細部まで磨きこまれている。
楽しいという感じではなく緊張感のなか聴き手は強引に引っ張られる感じ。
そんなアンデルシェフスキのエネルギー大歓迎。
後半はシューマン。
精霊の主題による変奏曲は地味だが美しい曲。
続く幻想曲、全体的にナイーブでな印象のシューマンらしい演奏だった。
アンコールはベートーヴェンのバガテルから。
終わったらどっと疲れたくらいの内容の濃いリサイタルでした。
次の来日でも聴いてみたい。
パリで聴いてから15年近く経っていて、円熟を迎え始めたと思いました。
アンデルシェフスキは演奏することの意味を探って演奏活動を長い間中断
したこともあるそう。その間京都で座禅を組んだとも。
12月に聴いたポゴレリチもそうですが、芸術家と言われるピアニスト
になるまでの道のりは大変なものですね。
2015年3月4日水曜日
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