2012年6月20日水曜日

高田美さんの写真集「パリの記憶」

高田美(たかたよし)さんとの出会いは1999年の夏、パリでのこと。
大学4年の時に参加した南仏ビアリッツのサマーセミナーでアンリ・バルダ先生と
勉強したあと、私は一週間ほど一人でパリをフラフラ観光していました。
するとバルダ先生がパリ案内をしてくださり、親友である高田美さんの
お宅に連れて行ってくださったのです。
日本人の写真家であるということ、ピエール・カルダンと仕事をなさっている
というバルダ先生からの情報以外、何もわからずにとりあえず手土産のチョコレートを
もってお伺いした8月の暑い日を、今でも昨日のことのように思い出します。

リヴォリ通り、ルーブルのまん前に位置するアパートの最上階。
バルダ先生と訪れるとそこに現れたのは小柄で細い日本人女性。
高田さんは1916年生まれですからこの時83歳。
自分の祖母と同じくらいの日本人女性が一人で暮らしている空間がとても
不思議に感じられました。

高田さんは陽気に迎えてくださり、どこの馬の骨かも分からない私
に夜遅くまでお付き合いくださいました。
大のピアノ好きで大きなサロンには大きなベーゼンドルファー
とベヒシュタインが並んでいました。
ミケランジェリやポゴレリチなどそうそうたるピアニストが
彼女の元を訪れるという恐ろしい話を聞いたあと、
なんとそこで私はドビュッシーを弾くことに。
バルダ先生の前でもあり冷や汗ものでした。。。
その後フランスに住んでいる間何度となく高田さんの前でピアノを
弾かせていただいたけれど、耳の肥えた彼女の前で弾くのは
大変なプレッシャーでした。

その時に頂いた写真集 
高田美 「パリの記憶 Mémoire de Paris」(京都書院)














高田さんはカルダンの右腕として活躍すると同時に素晴らしい写真家でした。
この写真集にはパリの風景、動物、人物が収められていますが
どれも女性の柔らかさで包み込むようなショットです。
その時々の瞬間への愛情がにじみ出ている様。
残念ながらこの写真集は現在出版されていないようです。
今現在アマゾンで中古が売られてはいるようですが。
こんな素晴らしい写真家の存在をもっと広く知ってもらいたいのにと
残念な気持ちでいっぱいです。

高田さんは2009年2月にパリでお亡くなりになりました。
私がパリ生活でとてもお世話になり、影響を受けた方。
もうパリに行ってもいらっしゃらないのだと思うとさみしいです。

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