7月12日に浜離宮朝日ホールで恩師アンリ・バルダのリサイタルを聴く。
前半はラヴェル後半はショパンのプログラム。
ヨーロッパの良き時代のスタイルの演奏家というのはもう数える程に
なってしまったが、バルダはその貴重な演奏家の一人。
この日も個性的な演奏芸術を目いっぱい楽しませてくれました。
ラヴェルは「ソナチネ」で始まるのかと思ったらいきなり
「高雅で感傷的なワルツ」から激しくスタート!
ラヴェルの複雑な音楽が万華鏡のように変幻自在に踊る。
コンサートのあとになぜ「ソナチネ」ではなく「高雅で感傷的なワルツ」
から始めたのかと訊くと、コンサートのはじめは勇気を出して
弾かなければいけないものから始めた方がいいから、と。
かっこいい!!
そして「ソナチネ」。
私も半年ほど前に弾いたけど、私が弾いたのは何だったのだろう
と思うほど濃くて強烈な演奏でした。
かつて聴いたことのないメロディーラインが聴こえてきたり、
間の取り方だったり。
あぁ、音楽の神様が宿っているなと思いました。
しかし、これが終わると椅子の高さが気に入らない!と
プリプリしながら調律師を舞台に呼び出すバルダ(爆)。
「クープランの墓」
私もバルダ先生に沢山レッスンしてもらい、
フランスでのリサイタルでも弾いた思い出深い曲。
夏休み中の特訓レッスンで教えていただいたことを
反芻しながら聴きました。
リスクを承知で難しい表現に挑む様に改めて感動。
後半はショパンの「4つの即興曲」から。
バルダの即興曲は何度聞いても自由で素敵。
「幻想即興曲」も壮大でした。
ショパン「ソナタ第3番」
3楽章と4楽章を聴いていたら感極まってしまい
涙が止まらないので困りました。
私の両隣に座っていた方はそんな私を見て「???」だったかも。
力強く、心を揺さぶる演奏でした。
アンコールはショパンのワルツ、スカルラッティの絶品ソナタ、
そしてプログラム冒頭で演奏した「高雅で感傷的なワルツ」全曲!!!
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