2011年10月27日木曜日

フランスに留学したきっかけ

私がフランスに住み始めたのは2000年4月。
もう11年も前のこと、時の経つのは早いですね。

子供のころから師事していた先生がウィーンで勉強
された方で、お得意のバッハやベートーヴェンの
レッスンが充実していて私も楽しく学んでいました。
なので何となくドイツ語圏に留学できたら良いなぁという
漠然とした思いはあって、大学でもドイツ語を第一外国語に
していました。
ところがドイツ語が難しい・・・。
名詞は女性・男性・中性があり、分離動詞、
格の変化、などなど。
大好きなベートーヴェンも話した言葉ですが、
どうも馴染めないのです。

そうこうしているうちに大学も4年。
一度行ってみたかったヨーロッパ各地で行わている
音楽講習会に参加してみることに。
さて、どこに行こうかなぁ。夏に行くんだから明るそうな
ところがいいな、スペインや南フランスにもあるぞ。
というわけで南フランスのビアリッツの講習会に申し込み。
アンリ・バルダというピアノの先生のクラスの欄にあまり
理由もなくチェック。

と、旅行気分で能天気に講習会に参加しました。
しかしそこでアンリ・バルダ先生今まで聞いたことの
ないようなピア二ズムに出会ってびっくり。
ダイナミックでオーケストラのような演奏がマジックのようでした。
特にドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」をピアノで
弾いてくださるのが私のお気に入りで、何度もせがんで弾いてもらいました。
この出会いが私がフランスに留学したいと思ったきっかけです。



ビアリッツ 素敵なリゾート地です

海岸のテントがかわいいですね

2011年10月25日火曜日

フランスのピアノ事情と音楽教育

日本の音楽大学に通うピアノ科の学生は
ほぼもれなく自分のグランドピアノを持っていますが
フランスは大分事情が違い、パリ国立高等音楽院に
通っているような優秀な人でもグランドピアノを
持っていない学生が結構いて驚きでした。

大抵の音楽院にあるピアノも古くて、スタインウェイ
なんてあまり見かけません。
日本の音楽大学にはゴロゴロあったのに・・・。
フランスではヤマハのグランドがあれば大満足、
ヤマハはとび抜けて良い音がしなくても質が揃っていて
本当にスゴイ、日本が世界に誇れるメーカーだなぁと
フランスで感激しました。

私はフランスに住み始めたころはアップライトをレンタル
していたのですが、やはり音もタッチがグランドと違い、どうしても
グランドで練習したい!と思いレンタル料が確か3倍ぐらいに
なってしまったけれどグランドにチェンジを決心。
しかしレンタルのグランドピアノはあまりないので
在庫のあった白いヤマハのグランドピアノを借りました。
白いグランドピアノなんてホテルのラウンジぐらいでしか
見たことないわ、なんか恥ずかしいなぁ、と思っていたのですが
部屋に入れてみると意外と黒ピアノより圧迫感がなくていいものですね。
でもうちに来る人はみんなびっくりして笑っていましたね。

話を戻しますが、フランス人は良いピアノどころか
グランドすら持っていない人がいるのにどうして
表情豊かな演奏をするのか、ということを考えたものです。
それはやはりイマジネーションと理論の裏打ちがあってのものだなぁと。
こういう音楽にしたい、こういう音にしたい、という目標が
はっきりしているので、どんな楽器であろうと聴き手の
想像力に働きかけるダイナミックな演奏になるのですね。
確かにタッチが荒かったりすることもありますが演奏が
生き生きしています。
これはフランスの音楽教育の賜物であると思います。
レッスンでは大抵曲のイメージを具体的にするように
指導されますし、そのための音楽史や音楽理論も
ゼミ形式でしっかり学びます。
レポートも多くて先生がしっかり添削してくれます。
日本の音楽大学では先生が一方的に話す講義ですが、
やはりゼミ形式だと身につきますね。
総合的な音楽力を養い、みな自信をもって演奏しています。

なのでこれからフランスに音楽留学される方は
語学が大変で面倒だと思っても是非実技以外の
理論などのクラスに参加されることをおすすめします。

ピアノの調律

私が弾いているピアノは20年以上前に今は亡き
祖母に買ってもらったヤマハのG3です。

音色や弾き心地が気に入っていなかったのですが
フランスから帰国した頃はあまりにもひどい音で、
処分してもっと小さいグランドピアノに買い換えようかと
思ったほど。

そんなとき、知人から腕の良い調律師さんがいるよ、
と教えて頂きお願いすることに。
そんなに良くなるはずはないと勝手に思っていたので
調律師さんがいらっしゃっても
「もっと小さいグランドでいいものありませんか?」
とお伺いしたところ
「このピアノ、そんなに悪くないですよ。僕が良い状態に
しますから見ていてください」と。
半信半疑で(ごめんなさい)調律と整音をお願いしました。

数時間後・・・
「えー、私のピアノじゃないみたい!!」
というほど劇的に生まれ変わったのです。
粒の揃った美しい音で弾きやすいピアノに大変身。
本当に驚きでした。
今ではすっかりお気に入りの楽器です。

ピアノの状態は調律でこんなにも変わるのですから
調律師さんはよーく選ばないといけませんね。
ヤマハのG3です

2011年10月24日月曜日

目黒の東京都庭園美術館 アールデコの館

目黒の庭園美術館に行ってきました。
11月から長期の改装で平成26年(長い!)まで閉館するそうです。

この建築は昭和8(1933)年にアール・デコ様式で
朝香宮邸として建てられたもの。

今回は改装前に普段公開していないウィンターガーデン(サンルーム)、
浴室、小客室なども公開しているとのことで気になっている展覧会でした。
間に合ってよかった!


アール・デコ様式とは、1920~30年代にヨーロッパで
流行した装飾様式で、1925年にパリで開催された
「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(通称:アール・デコ博覧会)
がその名の由来となっているそうです。
アール・ヌーヴォーの影響を残しつつ装飾を排した
無機的なモダンさが混在するスタイルでつまり、
アール・ヌーヴォーの優雅さとモダンデザインの機能美との間。
アール・デコの由来、今回初めて知りました。

1920~30年代というとドビュッシーは亡くなった後(18年没)、
ラヴェルは37年没なので真っ只中ですね。
ここでフランスの何人かの作曲家の年表を。

フォーレ(ガブリエル)Fauré,Gabrier(1845~1924) 
デュパルク(アンリ)Duparc,Henri(1848~1933)
ドビュッシー(クロード)Debussy,Claude(1862~1918)
サティ(エリック)Satie,Eric(1866~1925) 
ラヴェル(モーリス)Ravel,Maurice(1875~1937)
メシアン(オリヴィエ)Messiaen,Olivier(1908~1992)
プーランク(フランシス)Poulenc,Françis(1899~1963)

こうして見るとサティはもっと後まで生きたような気がするけれど
ラヴェルより先に亡くなったんだとか、ラヴェルが亡くなったのは
メシアンが19歳の時か、意外と近いな、などいろいろ思うことがありますね。


アール・ヌーヴォーはフランスにいた頃何度か訪れた
ナンシーの美術館で特にガラス工芸や家具を見たり、
住んでいたパリのメトロや建築に使われていたので親しみがありますが
アール・デコはそれらより大分あっさりしています。
アール・ヌーヴォーは植物や虫をモチーフにして曲線美を
前面に打ち出していますがアール・デコでは曲線は目立ちません。
シャープな線が多くてスッキリ。
素敵ですがアール・ヌーヴォースタイルが
好きなのでちょっと物足りない気も。

9月30日までは特別に夜9時まで開館しています。
夜に訪れてもまた素敵でしょうね。


ルネ・ラリック作
書庫

こちらもラリック

玄関脇の応接室

2011年10月20日木曜日

ベートーヴェン

先日はラヴェルが晩年に過ごした家のお話しでしがたが
今日はベートーヴェンの生家のお話です。
こちらは有名な「ベートーヴェンハウス」という
博物館になっています。

ベートーヴェンはだんだん耳が聴こえなくなった作曲家
としても有名ですね。

この博物館にはベートーヴェンの使用した楽器や手紙
など沢山の展示がありますが、強烈に記憶に残ったのが
ベートーヴェンの使用していた補聴器の数々。
ゆうに50cmはある大きなものばかりでまるでラッパの様です。
耳が命である音楽家がこういうものを使う苦しみは大変なものだった
だろうと、見たときは涙がでました。

その状態でもベートーヴェンは作曲を続け、今なお人々を
元気にさせる音楽を残してくれました。
常に音楽のスタイル次々と新しく開拓していく独自性は驚異的です。

ベートーヴェンを弾いたり聴いたりしているとふつふつと
元気が湧いてきますが、それは彼の持っていた生きることへの
エネルギーが音楽に表されているからに違いありません。

ピアノソナタ「ヴァルトシュタイン」はマシンガンのような快活さと
明るく美しいメロディーで大好きな曲です。
フリードリヒ・グルダの力強くストレートな名演です。

2011年10月11日火曜日

ピアノのテキスト・教材

子供向けのピアノテキスト、今はカラフルでかわいいものが
数多く出版されていますね。
内容も工夫されていて飽きさせないように配慮されています。

生徒さんに合わせてテキストを選ぶので、楽譜屋さんに行くと
あれこれ悩んであっという間に時間が経ちます。

私が最近良く使うテキスト、「アルフレッドピアノライブラリー」













親しみやすい表紙ですよね。なかの挿絵もかわいいです。
このテキストは大体4冊セットで出来ています。
・レッスンブック(楽典の説明とそれ使った曲)
・併用曲集(レッスンブックで学んだ要素をつかった曲)
・楽典(日本のテキストにはない体系的な楽典)
・聴音(私はソルフェージュをしているので使わないこともあります)

アメリカ生まれのテキストですが、同じくアメリカのバスティンという
テキストを研究している方にお伺いしたところ、アメリカはヨーロッパと
違いクラシック音楽の伝統がないので、そういう環境でもクラシックの
基礎を誰でも無理なく学べるようにというコンセプトでつくられる
テキストが多いそうです。
これはそのまま日本の環境にも当てはまりますね。

私がテキストに魅力を感じる理由の一つは
響きを楽しめる楽しい曲が多いからです。
早い段階で左手の低いドレミファソが出てくるので
音数がすくなくても響きにボリュームがあるので
子供達も弾いていて楽しいようです。

2011年10月10日月曜日

ラヴェルの家

12月にソプラノの方のリサイタルの伴奏をするのですが、
プログラムの後半でピアノソロを演奏します。
曲目を何にするか悩んだのですが、フランス歌曲が多い
プログラムなのでそれに合わせてラヴェルのソナチネを演奏します。

パリ郊外のモンフォール・ラモリにラヴェルが晩年住んだ家が
ほぼそのままの状態でモーリス・ラヴェル博物館として残っています。
予約しないと入れないのですが、丁寧に説明してくれるガイドさんが
いたり、ラヴェルの使っていたピアノを弾かせてもらえたりもします。

ラヴェルはお洒落な人で、インテリアもすごーくお洒落。
ラヴェル自身が椅子の背に繊細で緻密な絵を描いたものや
壁にもデザイン画を残しています。
とことん凝る人だった様子が伺えます。
彼の曲作りと同じですね。
バスルームもモダンでシャレていて、ラヴェルが使用していた
剃刀などもそのまま並べてあり映画に出てきそうな空間。
身だしなみにも時間をかけていたのでしょうね。

置いてあったピアノはエラール製で、手を加えて当時とは少し
状態が違うかもしれませんが非常に柔らかいやさしい音。


他にも機械仕掛けのおもちゃのコレクションやリビングから
ラヴェルも見ていた自然溢れる風景など、ラヴェルの生活を
リアルに想像できます。


ラヴェルの音楽はもともと大好きでしたがこちらを訪れて
ラヴェルのファンタジーをより身近に感じることが出来ました。

ガイドはフランス語のみですが音楽ファンに是非おすすめしたい場所です。
駅からとても遠いので、バスのある平日に行く方が良いです。
私達は週末に訪れたので行きはヒッチハイク、帰りは1時間ほど歩いて
駅までもどって更に電車を1時間(もっと?)待ってやっとパリへ。
郊外といってもかなり遠出した感がありました。
交通の便にはご注意を。

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