2012年8月28日火曜日

ドビュッシー 、音楽と美術 ー印象派と象徴派のあいだで

ブリヂストン美術館で開催中の
「ドビュッシー 、音楽と美術 ー印象派と象徴派のあいだで」

ドビュッシー生誕150年を記念して、フランスのオルセー美術館、
オランジェリー美術館、ブリヂストン美術館による共同開催です。


ドビュッシーを演奏するときは楽譜に書いてあることを
忠実に(これが結構難しいんだけど)弾くともうかなりその世界になっちゃいます。
しかもラヴェルよりも手に負担がかからないのに効果的に響く。
ひらすら独自の世界で、時々気味悪く感じることがあるくらい。
恐ろしい、魅惑的な作曲家です。



アンリ=エドモン・クロス 「黄金の島」
ドビュッシーの細かなスコアを連想させる






















私が最高に好きな「牧神の午後への前奏曲」の振り付け。
ニジンスキーが美しい。






















ルノアール、ドガ、マネ、モネの絵画やガレの陶器、ドビュッシーの
直筆譜もあり、それは非常に細かくて美しいくため息がでそうでした。
そしてそれらと並んで多く展示されていたのが東洋美術品です。
ドビュッシーがコレクションしたものも多数。

ドビュッシーは1889年のパリ万博(あのエッフェル塔が作られた時)
でインドネシアのガムラン音楽や日本の浮世絵をはじめとする
東洋美術に魅了され、浮世絵もコレクションしていました。
その頃、パリでは浮世絵が安く求めやすかったそうです。(ふーん!)
それらは彼のインスピレーションを刺激し、曲に反映されています。

交響詩『海』の楽譜の表紙は北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の
《波》の部分が使わています。


私の大好きなピアノ曲『金色の魚』のインスピレーションの元となった漆塗の絵。


ドビュッシーが東洋にとても興味をもっていたことはよく言われることですが、
数々の東洋美術のコレクションを見て改めて実感!

ショパンより遅れて誕生すること約50年。
その間にヨーロッパ、世界の状況は劇的に変化しました。
多様な国の文化に触れる機会が増え、お互いに影響し合うようになります。
ショパンが東洋や日本から影響を受けたということはなかったと思いますので
これは音楽界にとっても大変な変化です。

インドネシアのガムランの影響を明らかに感じさせる
『版画』より"塔(パゴダ)"
フランスのピアニストカサドシュの演奏。


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