東京都交響楽団の第757回定期公演(9月30日)に
私の師であるアンリ・バルダが登場。
会場は東京文化会館。
プログラム
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
シューベルト:交響曲第8番『ザ・グレート』
この日のバルダのピアノはフレンチピアニズムらしい
旋律の優雅さと柔軟なタッチで音階や半音階の
パッセージが魅力的。
第3楽章はユーモアに溢れ新鮮な表現に溢れていました。
いかにも、というずっしりしたベートーヴェンではなく
とても洗練されたベートーヴェン。
ベートヴェンのピアノ協奏曲第3番はソロが出てくるまでが
長いのですよね。
第4番はピアノパートから始まるし、第5番『皇帝』は
♪じゃーーんじゃんじゃん♪ の後すぐにピアノが始まるのだけれど。
ソロパートが始まるまで前奏を聞きながら待っている間は
ソリストにとっては大抵落ち着かない時間だと思います。
聴いている(見ている?)私もそわそわ、ドキドキ。
今回は以前のリサイタルの時のようにバルダの演奏を聴いている
最中に涙が流れてしょうがない!ということはなかったのですが、
オーケストラの前奏部分で孤独に出番を待っているバルダを
見ていて不覚にも涙が出てきてしまいました。
ピアノパートが始まってからは落ち着きましたけれど。
そしてバルダ先生、とてもエレガントでした。
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