待望していた恩師アンリ・バルダのピアノリサイタル。
9月26日(土)浜離宮朝日ホール、27日(日)港南区民センター
と2日間続けて聴いて来た。
どちらもほぼ満席。
夢の様な2日間、魔法にかかったようだった。
前半は
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
(港南ではこの間にブラームス:2つのラプソディ Op.79)
ブラームス:6つの小品 Op.118
後半
ラヴェル:夜のガスパール
ショパン:即興曲 第1番 Op.29
ワルツ 第12番 Op.70-2
マズルカ 第34番 Op.56-2 / 第38番 Op.59-3
第26番 Op.41-1 / 第40番 Op.63-2
第41番 Op.63-3
ワルツ 第8番 Op.64-3 / 第5番 Op.42
前半のブラームスの晩年の作品で、シンミリした演奏が多いが
バルダの演奏は非常にエネルギッシュ。
特に浜離宮ではOp.117が大音量で始まったのでびっくりしたが
大きな宇宙に放り出されたように感覚で直ぐに引きこまれた。
バルダならではのブラームス、非常にドラマティック。
特にOp.118の後半3曲が磨きぬかれていて素晴らしかった。
後半のラヴェルが逸品。
すごい演奏を聴かせてくれるはずと分かってはいたものの
改めて度肝を抜かれた。
駆け抜けるように3曲が弾かれた。
オンディーヌの誘惑や絶望、絞首刑の暗く不気味な雰囲気、
スカルボの狂気に満ちた性格がドンピシャなアイディアと
強靭なテクニックとで実現されていく様は恐ろしいくらいだった。
そしてお得意のショパンメドレー、いやぁ楽しい!
どの曲も踊りだしたくなるような生命力に溢れている。
バルダの演奏は非常なリスクを負って成り立つもので
守りの姿勢は一切無い。
音楽が好きでたまらずひたすらピアノに身を捧げ続けて
生きてきた芸術家の姿を目の当たりにした。
長年バルダの演奏を聴いているが、年々凄味が増している。
次のコンサートが今から待ち遠しい。
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